京都再エネコンシェルジュ

古賀和夫さん

京都再エネコンシェルジュインタビュー

オリエントハウス株式会社(京都市中京区西ノ京東中合町)の京都再エネコンシェルジュ・古賀和夫さんにお話をお伺いしました。

 

安心安全で太陽光を増やす!

各種プレハブ建築を個人・法人へお客のニーズに合わせて、設計・製造・販売・施工・リースまで手掛けるオリエントハウス株式会社で太陽光発電を担当されている古賀和夫さん。ここ最近は、京都府の再生可能エネルギー条例によって、10年を超えるプレハブのリース物件でも、太陽光の設置が義務づけられているため、太陽光を設置する案件が増えてきているとのこと。お忙しい中、前日に49㎾の太陽光発電の設置案件を終え、ひと段落付いたタイミングでお話をお伺いしました。
古賀さんは、元々京セラで太陽光発電の営業をされていて、その普及に携われていた経歴の持ち主です。パルスプラザや愛・地球博の会場や中部国際空港セントレアでの太陽光発電の設置に関わられ、様々な基準を乗り越える経験をされてきました。その経験から太陽光発電設備を安全に安心して設置するために「その設置方法は安全ですか?」と警鐘を鳴らされています。
「これまで設置させて頂いた多くは産業用の大きな太陽光発電でした。大型の台風が来た時にも太陽光発電設備が飛ばされずにすむように、震災で大きく揺れても崩れ落ちないように、金具やボルトや基礎に注意を払い、強度計算をして強度を確認してから設置してきました。設置する際には金属屋根・防水シート等メーカーと相談し、現地調査をしながら、現場を絶えず確認して心配事を一つずつ消しながら進めています。
また、設置後に太陽光パネルに光が当たり、その反射光が問題になるケースや、そもそも反射光が想定されて付けられないといったケースもありますが、そういったケースでも、ガラスの反射を抑え眩しさを抑えた防眩モジュールであれば設置不安が解消されます。また、資源エネルギー庁が事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)で定めているものや、JIS規格で設置規定されていることなどもあるので、しっかりそれらの内容を把握している事業者に頼むことが重要です。事業用でも家庭用でも同じです。」と語られていました。

古賀さんがオリエントハウス株式会社で最近取り扱われた設置事例

案件名:京田辺市三山木小学校仮設校舎太陽光発電設備
設置日:2023年3月16日
(内容)
●太陽電池モジュール375W×9枚=3.33KW
●折板屋根取り付け金具(元旦ビューティ工業㈱製品)×54個
●パワコン低圧単相仕様 4.5KW×1台

京田辺市三山木小学校 プレハブ仮設校舎外配管工事中写真

京田辺市三山木小学校 太陽光モジュール据付設置写真

京田辺市三山木小学校 折板屋根金具(元旦ビューティ工業(株)仕様)取付工事中写真


15年後を想像して

「太陽光発電は、20年以上稼働できます。しかし、電力を制御するパワーコンディショナ―が先に壊れます。そんな時に、メーカーの一元管理で設置した場合には、メーカー保証もありますから、メーカーに修理を依頼すれば、確認に来て修理の見積もりを出してくれます。それが特に産業用において、太陽光発電モジュールとパワーコンディショナ―とその他の機器とでメーカーを異なって設置した場合には、どのメーカーに依頼すれば良いのか、何が原因で壊れたか、があいまいになり、メーカーが対応を十分にしてくれるかも不安です。最終的な廃棄も、メーカーが異なる時には注意が必要かもしれません。それらのコストも含め、15年先を見据えたうえでの金額比較をして発注をすることをお勧めします。」今ある安さだけではなく、トータルコストで考える必要性を教えていただきました。

最後に皆さんへのメッセージとして「ぜひメンテナンスを考えてくださいね。値段ありきだと壊れた時にメーカー保証など不安があります。その企業が業務継続するかも考えて、責任を持ってくれるメーカーを選んでください。20年は付き合うので商品選択と値段をしっかり見てくださいね。一貫した国内メーカーはやはり安心です。壊れた時に、その部分だけを取り替えることも可能ですから。」とアドバイスをいただきました。
太陽電池の草創期に、その普及としてソーラーカーの模型や太陽電池の教材やセンサーライトなどで販路拡大に苦戦していたころから早40年近く経て、太陽光発電が当たり前になってきたことを実感されているとのこと。とある県庁の前に古賀さんが係わって設置をされた太陽電池のエネルギー灯をメーカーがメンテナンスをなされながら今でも点灯されていることもお聞きし、その歴史を感じつつ、太陽電池は次世代に引き継ぎ未来に残せるエネルギーであることを再確認させていただきました。

(取材:2023年2月28日)

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