京都再エネコンシェルジュ

小山富美代さん

京都再エネコンシェルジュインタビュー

有限会社小山住建(与謝郡与謝野町)の京都再エネコンシェルジュ・小山富美代さんにお話をお伺いしました。

木の目利きに自信あり!

「家族と従業員2名の合計5名、そのうち3名が30代の、地元に密着した小さな会社です。京都の北部は冬に雪も多いので、地域の特徴にあわせた家づくりをしています」と小山さん。

小山富美代さん

小山富美代さん

木のよさを生かした家づくりを大事にされている小山住建では、自社大工が責任をもって施工をされています。「得意としているのは、木の目利きです。最近は、山の木を見てその良さがわかったり、木目の良さがわかる人が減っていて残念ですね。同時に、カンナ掛けからできる大工さんも減っていると感じています。実は、屋号は今の社長からですが、その前から代々大工をしています。社長の父も祖父も大工。息子で4代目になります」。

施工事例

施工事例

従業員で4代目となる息子さんは、地域の商工会の青年部に参加して、異業種コラボに力を入れているそうです。例えば、阿蘇海の牡蠣殻が問題になっているので、これを1000度で焼いて粉々にして、農地の肥料に使ったり、建築の漆喰に使えないかというアイデアを仲間と検討中とのこと。「他にも、こちらの地元には幡屋さんがありますが、着物の需要が減ってきています。そこで、ちりめんを壁紙に使ってみたこともあります。“建築×○○”というコラボを増やしていきたいですね」。

小山住建では、ステンドグラスの取り付けもされています。「ステンドグラスを入れると、板ガラスを通して太陽の光を家の中に入れることができます。室内の電球とは違った、自然の太陽の光を利用できるのって素敵ですよ。設置をするときには、保護するためにサッシの内側に入れて二重にします。ステンドグラスというと教会のイメージが強いみたいですが、そんなこともないですよ。お気に入りのものを設置できたら、一生物になります」と小山さん。多摩美術大学の教授の方や、ガラス系の作家さんとの人脈があるため、小さなものから大きなものまで実現可能だそうです。

上部にステンドグラス

上部にステンドグラス

再エネ設置はご要望にあわせて

再エネ設備はお施主様のご要望にあわせて対応できるようにされているとのこと。小山さん自身もご自宅に太陽光発電を設置しているそうです。

「個人のFacebookで、設置後の様子なども情報発信しています。昨年、雪がたくさん降り積もってしまったときは、発電しなかった日が1日だけありました。雪が降る地域では、そういう情報も大切ですよね。太陽光発電は良いと思っています。うちの場合は特に住んでいる人数も多く、電気の使用量も多いので、付けて良かったなと思います。ただ、一点だけ嫌なことがあるんです。雪が降ると、太陽光パネルから積もった雪がドサドサっと落ちることがあります。屋根が片流れになっていて下に何もないところなら良いのですが、1か所だけ2階屋根のパネルから1階の屋根に雪が落ちるところがあり、その瞬間だけですが、すごい音がします。雪がたくさん降った時だけですけれどもね。パネルを載せていない屋根は雪が滑り落ちることはありません。なので、太陽光パネルを設置する時に気を付けたいですね。それ以外は不便さもなく、いいですよ」。

地域に密着した活動

小山さんは、よさの百年の暮らし委員会(愛称:みらいふ)に参加して活動されています。子どもたちと一緒に活動する“エコキッズ”では、ドローンを飛ばして、子どもたちが山師さんと一緒に上空から山を見るというイベントをされたこともあるそうです。「山は、子どもと一緒に触れ合うには、とっても面白い場所ですね。エコハロウィンのイベントでは、山のツルを使って飾り付けをしました。牛乳パックを使った再エネ工作教室なども企画があったのですが、こちらはコロナの影響で中止になってしまいました。みらいふのメンバーの中では、おもちゃを交換する“かえっこバザール”をやってみたいね、という話も出ています」。

「実は、京都再エネコンシェルジュに登録されているから一度来てみませんか? と声をかけてもらったことが、みらいふに参加したきっかけです。最近はコロナの影響で活動がしづらいのですが、阿蘇シーサイドパークという天橋立が見える公園をきれいにしたいねという話になり、花壇のゴミ拾いをしたりなど、交代で様子をみています」。

昨年度(2020年度)は、与謝野町長よりみらいふに与謝野町地球温暖化対策実行計画区域施策編の諮問がありました(※1)。「10年後の与謝野はこうなったらいいね、という話し合いをみんなでしました。その中で、自転車道(※2)に太陽光発電を設置できたらいいよね、という話もありました。実際に自転車で走ったことのない人もいたので、昨年11月に電動自転車を借りて、みらいふのメンバーで与謝野町の半分ぐらいの距離を実際に走ってみました。気持ちよかったし、農業をしている方の様子を見たりすることもできました。コロナが落ち着いたら、残りのもう半分を走りたいねという話をしています」。

みらいふのメンバーと一緒に

みらいふのメンバーと一緒に

(※1)みらいふに与謝野町地球温暖化対策実行計画区域施策編の諮問
(※2)加悦岩滝自転車道線

整理収納アドバイザーの資格も持っている小山さん。SDGsの取組に繋がることも積極的にしていきたいそう。「でも最近は、本当に相手にとっても良いことなのか、ちゃんと確認しないといけないなと思っています。たとえは古着を再利用するにも、きれいで使えるものを利用できるようにしていきたいですね」。

個人のFacebookでも色々な情報発信をされています。女性の京都再エネコンシェルジュさんが少ない気がするので、もっと増えてもいいのかな、とおっしゃっていました。

最後に一言

「家づくりって、いろんな情報があるので、“こんなことを聞いてもいいのかな”ということも、気軽に聞いてほしいなと思っています。敷居を低く低くしたいですね。もし私に分からないことがあったとしたら、責任を持ってきちんと調べてお答えしたいな、と思っています」。

(取材:2022年1月28日zoomにて)

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