京都再エネコンシェルジュインタビュー
子どもたちのために住宅も脱炭素へ
株式会社高橋工務店(京都市山科区)の京都再エネコンシェルジュ・高橋真悟さんにお話をお伺いしました。
■株式会社高橋工務店
■京都再エネコンシェルジュ:高橋真悟さん(1名)
■再エネ分野 太陽光発電 太陽熱利用 薪・ペレット
株式会社高橋工務店 代表 高橋真悟さん
京都市山科区大石道沿いの閑静な住宅街にある、株式会社高橋工務店さんに京都再エネコンシェルジュの高橋真悟さんをおたずねしました。
事務所のお近くに、ご自宅兼ミーティングルームがあり、そのミーティングルームでお話をお伺いしました。
高断熱高気密を体感できるミーティングルーム
ご自宅には5kWの太陽光発電を導入され、駐車場に面した壁面には200Vのコンセントが設置されており、高橋さんとお話しできることへの期待が高まりました。
ご自宅は「こんなところに住みたい」と、お施主様に体感できる家として建築されたそうです。ミーティングルームは外に比べてとても涼しく、その理由を説明するように、断熱材や樹脂サッシのサンプルが置いてありました。
「ZEHはしていません。目標は更に上の断熱等級を標準にしています。所謂ZEH基準の家はもう作ることはありません。なぜなら、それは本当に快適な家であるとは言えないからです」と、高橋さんは仰います。
「ZEH基準」とは単に断熱基準を満たすだけで、快適な住環境の基準ではないとのこと。一方、「ZEH」という言葉は、高断熱高気密住宅に関心を持ってもらうきっかけの一つであるとも仰います。
例えば、エアコンの冷房が直接身体に当たることで、不快に感じる方もいます。それを避けるために全館空調を取り入れ、不快感を無くします。また、新住協、パッシブハウスの設計思想を基礎に、エネルギー消費のコストパフォーマンスを重視する「住環境と光熱費」を設計の前提にされています。適切な窓の位置や大きさ、自然光の取り込み、高断熱・高気密による「快適な居住空間」を提案されています。
高橋さんに住まいの相談をされるお客様は、高断熱・高気密住宅について、事前によく勉強された方が多く、高橋さんは、断熱仕様は必須であることと、太陽光発電については、導入するかどうかを必ずおたずねになるそうです。
因みに、高橋さんのご自宅には5kWの太陽光発電が設置されていますが、断熱を厚くすると、電気代が掛からず、光熱費は暖房シーズンで8000円~9000円ぐらい、冷房シーズンで5000円ぐらいと言うことです。一方、高断熱高気密の家では、発電した電気を使い切れていないのが現状で、結局売電になってしまい、必ずしも効率が良いわけではないそうです。
お客様には、ライフスタイルを考慮し、自家消費できる容量の太陽光発電の設置を提案されるそうです。ただし、将来、蓄電池やEV、V2Hの価格が下がり、コストパフォーマンスがよくなれば、太陽光発電と併せてお勧めもしたいと言うことを仰っておられました。
「根本は断熱です。冬に暖房をしないでも16℃以下にならない住宅。これが基本です。」そして、子どもたちの未来の為にも高性能住宅を普及し脱炭素社会を創出しなければいけないと、仰っていました。
「かかりつけ工務店でありたい」
高橋さんは4代目。お父様の建てた家、おじい様の代からのお客様も少なくないそうです。
「高断熱住宅を作ることと同時に、電話1本で気軽に相談してもらえる、かかりつけの工務店でありたいと思っています。窓の断熱化などリフォームにも取り組んでいます。」
そして将来は「タカハシの建てた町家を作っていきたい」と仰います。
高橋さんの作る景観や街並みに似合う高機能町家。
もちろんその町家は「高断熱・高気密」の住み心地の良い快適な町家になるはずです。
(取材:2024年9月26日)