京都再エネコンシェルジュインタビュー
株式会社デザオ建設(京都市山科区)の京都再エネコンシェルジュ・梅本弘士さんと中村真さんに、北野展示場 つなぐモデルハウス「とこしえ」にて、お話をお伺いしました。
- 株式会社デザオ建設
- 京都再エネコンシェルジュ:梅本弘士さん、河田和樹さん、櫻井恒良さん、澤田竜斗さん、清水温子さん、清水崇弘さん、中村真さん、西川隆行さん、山本眞仁さん(9名)
- 再エネ分野:太陽光発電・太陽熱利用・薪・ペレット
住宅の性能を確保したうえで、お客様の「やりたい」を実現する
新築住宅、リフォーム、そしてマンションなどの大きな建物も含めて、建築にかかわることをほぼ手掛けておられる株式会社デザオ建設。なんと9名もの京都再エネコンシェルジュ登録者がおられます。
新築住宅は、オーダーメイドの注文住宅。お客様の希望に合わせて、木造からRC(鉄筋コンクリート)まで幅広く取り揃えておられます。「デザオでは、住宅の性能をきちんと確保することを大切にしています。ZEHビルダーにも登録していますし、当社では長期優良住宅が標準です。住宅の基本的なスペックはしっかり確保したうえで、お客様のご希望・ご要望を実現していく方法を一緒に考えていきます。なので、モダンなデザインの住宅から、自然素材をふんだんに使った住宅まで、できあがる一軒一軒がみんな違います。どれもお客様のこだわりと思いがつまったステキな家ばかりです」と梅本さん。素材にはそれぞれ一長一短があり、適材適所になるよう心がけておられるそうです。「時には条件が厳しいこともありますが、きっと何かしらの方法はあるはず。できるかどうか、ではなく、どうしたらできるのかを皆で一生懸命に探します」。
リフォームもたくさん手掛けておられます。耐震対策や断熱対策も含めた構造が変わるような大規模リフォームも多いとか。耐震診断の資格を持っているスタッフがいて、お客様の困っていることやご要望にあわせて設計をされます。きちんとリフォームすると、住環境は確実に良くなり、暮らしも確実に快適になります。明るくなった、暖かくなった、そして静かになったという声も良く聞くそうです。「断熱などの住宅スペックをきちんと確保するということが、もっと当たり前になってほしいと思います」。そう梅本さんはおっしゃいます。
新しいものを、いち早く取り入れる
デザオ建設では、太陽の熱を、給湯だけでなく空調にも利用するOMソーラー(太陽熱利用)の住宅も建てています。「例えば、冬に室温が10℃から暖房するのと、室温18℃から暖房するのであれば、必要な暖房エネルギーは全然違います。それに、家全体が暖かいので、快適なだけでなく健康にもつながります。2019年3月にはOMソーラーの新しい規格“OMX”ができました。これは、夏の冷房も全館空調で出来るようになった新しい規格です。家全体が涼しくなります。そういう家は、もう特別ではなくなってきていますね」とお話をしてくださったのはOMソーラーに詳しい中村さんです。「高性能住宅とか全館空調というと、贅沢だと思われる方もいらっしゃいますが、住まいは暮らしにつながっています。断熱気密をしっかりして、ヒートショックを減らして、健康住宅を増やしたいと思っています」。
中村さんは薪ストーブやペレットストーブについても詳しいとか。「自然が好きな方が設置されることが多いように感じています。炎のゆらぎは見ていてリラックスできますね」。また、太陽光発電システムもリーズナブルになってきたそうです。「自己資金での設置もやりやすくなりましたし、最近では初期費用が無料もしくは少額で設置できる仕組みも利用することができます」。どちらの場合でも、ご家庭の状況や土地の条件などに合わせてメリットが出るかどうかについて、あらかじめきちんと計算をされるそうです。「家づくりは、20年後、30年後などの先について考えることも大切です。初期費用だけで決めるのではなく、メンテナンスも含めてどんなメリットがあるのかも重要です。メリットは一言で言い表せなかったりしますが、分かりやすくお伝えしたいですね」。
V2H(電気自動車に蓄えた電気を家で使う。逆に昼間の太陽光発電で作った電気を電気自動車の蓄電池に蓄えることも)
お話をお伺いした場所、北野展示場つなぐモデルハウス「とこしえ」は、2018年にできた新しい展示場です。京都のモデルハウスで初となる、V2HとスマートHEMSを連携させた災害につよい体感型モデルハウスとなっており、実際に停電時の様子がわかる停電デモを体験することもできます。他にも、トリプルガラス(ペアガラスよりも断熱性能が高い)や、たいへん珍しいバイオエタノールの暖炉なども見ることができます。「そういえば、わが社では新しいものを取り入れるのも早いですね」と梅本さん。最新情報を得ながら、常に、より良いものを求めてチャレンジされているご様子がうかがえます。
とこしえは「グッドデザイン賞2019」も受賞されています。監修は、断熱気密で有名な前真之先生(東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 准教授 博士)。「見どころ満載のモデルハウスです。ぜひお越しください!」
(取材:2020年3月3日)