省エネで快適に暮らす家づくりを目指して
(中尾博さん 木津川市 薪・ペレット)築100 年の農家型古民家を10 年程前に購入された中尾さん宅を訪問しました。独学で学んだ知識と、日曜大工の腕を生かしてリフォームと快適生活に取り組んでおられる様子を拝見させていただきました。以下のような省エネの工夫をされていたのでご紹介します。
再生エネルギーの使用
暖房機器は薪ストーブ(ダルマストーブ)を使用しています。煙突と煙道からの排熱回収システム(天井設置サーキュレーターで、高温空気を隣接する部屋に送風して、暖房熱源とする)を設置することで、バイオエネルギーの恵みを逃がすことなく熱回収するシステムを構成されています。
薪入手ルートとその効用
薪の入手ルートは、自宅周辺の樹木枝払いや端材の活用、独居高齢者宅の巨大樹木の伐採、社寺境内の枝払い樹木を提供してもらう、家具屋さんからもらった端材を選別して使用するなど様々です。
断熱性能改善
薪ストーブの暖房効率を上げるために、住居の断熱性能の改善にも取り組んでいらっしゃいます。天井裏と床下に厚さ50mm のグラスウールを敷き詰める、ペアガラス導入、窓ガラスにも中空ポリカーボネート板を貼る、各種断熱材を適材適所に使用する、内窓の取り付け、玄関を風除室構造に改修するなど、紹介しきれないほどの工夫が見られました。
ご参考までー「ダルマストーブ」
「キューポラのある街」で有名になった埼玉県川口市で、現在日本で唯1 社の「田中機械製作所」が製作しています。
詳細情報
機器の種類
メーカー :SHOEI /型式:7 号/購入年:2005 年
設置にかかったコスト
本体+煙突で3 万円(壁貫通部処置含む)
※施工は自ら行った
薪の種類
間伐材、剪定枝、端材など各種
薪の入手方法
自宅周辺の枝払いや端材活用、近隣宅の樹木の無償手入れ、家具屋さんからの端材提供などで入手
薪の保管方法
軒下に寸切した薪を積み上げています
機器の使用期間
12 月~ 3 月までの4 ヶ月間
一冬あたりの燃料消費量及び燃料代
約8m3(薪代金は0 円)
居住形態(戸建てor 集合住宅)
戸建て
暖房する空間の広さ(畳何畳分)
約30 畳分
併用している暖房機器
エアコンを送風設定でサーキュレーターがわりに使用
取材後記(五十嵐勇)
取材中「ダルマストーブ」の傍で、犬の「桃太郎」と猫の「しんちゃん」が仲よく私たちの話を聞いて(?)おり、驚きました。炎を見ているだけで、楽しく遠い昔の思い出が蘇ってきます。炎は何か不思議な力を持っている気がします。非常にお忙しい時節柄、中尾さんありがとうございました。