京都再エネコンシェルジュ

岡田昌基さん

京都再エネコンシェルジュインタビュー

岡田設計(京丹後市)の京都再エネコンシェルジュ・岡田昌基さんにお話を伺いました。

  • 岡田設計
  • 京都再エネコンシェルジュ:岡田昌基さん(1名)
  • 再エネ分野:太陽光発電


岡田設計の京都再エネコンシェルジュ・岡田昌基さん

地域に密着した、省エネ、快適、エコな住宅を提案

岡田設計さんは、久美浜を中心に東は豊岡市、西は宮津市で地域性を踏まえた快適に生活できる省エネ住宅を提供されています。新築住宅は3年前の1棟を除き全てZEH、ZEH+の住宅を建てられています。その3年前の1棟も太陽光発電は搭載していませんが断熱性能はZEH+ということでした。

岡田設計さんの業務エリアは5地域となり京都府では寒さが厳しい地域になります。そのためZEHにするには太陽光発電容量は6.0kw以上必要になるそうです。因みにUA値は0.4~0.5w/㎡・K、C値は0.4㎠/㎡前後の住宅でのお話です。太陽光発電量が6.0kwを越えるとパワーコンディショナー(以下パワコン)が2台必要になり、パワコンが2台になるならパワコン2台に搭載できるだけの太陽光パネルを設置した結果、屋根の大きさに依りますが岡田設計の住宅の太陽光発電量は6.6~9.9kwになるそうです。一例ですが、太陽光発電を加えた一次エネルギー消費量の削減率は、ZEH基準が100%なのに対し142%、太陽光発電を除いた削減率はZEH基準が20%なのに対し33%という大変省エネ性能の高い住宅になっているBELS評価書を見せていただきました。

久美浜近辺ならではの雪と太陽光発電パネル

久美浜近郊は毎年1m程の積雪があるそうです。太陽光パネルに積もった雪はするすると動き軒先から落下します。万が一その雪が人に当たったり物を壊したりして迷惑を掛けることを避けるために必ず軒先に雪止めを設置するそうです。そのためパネル上の雪が解けるまでは発電しない期間ができます。
しかし1年を通して発電量を計測すると問題なくZEH基準をクリアする発電量は得られるそうです。5地域で積雪がある程度あってもZEHは問題なく作れるということでした。「ただ3月から10月は良好に発電し、11月になるとガクッと落ちます。10月まで暑い日が続き11月になるといきなりコタツを出すような状況です。温暖化のせいかここ2年ほど秋がないように感じます」と少し残念そうにお話されていたことが印象に残りました。
日本海沿いに建設する住宅ならではのお話では、海からの塩害を避けるためにパワコンは必ず室内に設置するそうです。2台のパワコンはかなり大きな面積を必要とします。2台のパワコンの設置場所を伺ったところ、そこは室内干しスペースということでした。最近はベランダを作らず代わりに室内干しスペースを作るそうです。昨今の花粉症やPM2.5対策としてはもちろんですが、日本海沿いは黄砂被害を受けることが多いため室内干しスペースが重宝されるそうです。生活空間ではないのでパワコンが2台あっても気にならず、高気密・高断熱+熱交換式24時間換気を室内干しスペースにも取り入れているため、とても洗濯物の乾きの良い、評判の良い室内干しスペースになるそうです。

また岡田さんは新築住宅以外でも積極的に既存住宅への太陽光発電設置に取組まれていました。
岡田さんのかなりの数の友人宅に太陽光発電を設置されたそうです。
そして同じ町内の近隣8棟のうち4棟のお宅に太陽光発電が設置されていました。

旧来から建つ民家の黒光りする瓦屋根に太陽光パネルが搭載された通り沿いの風景は、岡田さんの近隣に対する愛着の現れように感じました。

(取材:2024年3月27日)

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