京都再エネコンシェルジュインタビュー
谷田工務店 舞鶴市 の京都再エネコンシェルジュ・濵尾悠さんにお話を伺いました。
高気密・高断熱住宅は知識だけでなく、施工する技術と経験が大切です
そうお話しされる濵尾悠さんは谷田工務店で工務を担当される現場監督さんです。
谷田工務店さんは、舞鶴で創業52年目を迎える住宅建設会社で、全ての住まいを高気密・高断熱住宅で建設されています。
快適な住み心地と省エネ性能を常に追求され、現在はアルミ樹脂複合サッシとトリプルガラスを標準仕様としているそうです。その結果、建設される住宅の平均C値は0.26㎠/㎡、平均UA値は0.44w/㎡・Kという、6地域の舞鶴で断熱等級6(UA値≦0.46)をクリアする住宅を標準的に提供されています。
特にC値は平均0.26でもすごい数値ですが、最近は0.19~0.16の性能も出ているそうです。現在のZEH評価基準に気密性能は含まれていませんが、気密性能に対する考え方をお聞きしました。
「計算上の断熱性能をやみくもに上げても現場で気密が確保されていなければ意味はありません。隙間から冷気暖気が入り込むのですから。そして高気密とダクト式24時間換気設備で計画換気を行うことで足元と天井付近に温度差のない理想的な空気環境を作ることができます。高気密の家に住むということは、季節の良いときは窓を開けて通風のある暮らしをして閉じたいときにはしっかり閉じることができる暮らしができるということです」という説明でした。決して息苦しいことはないそうです。但し高気密の住宅はメリットばかりではありません。音がよく響くそうです。そこで谷田工務店さんでは、2階のトイレ排水には防音材一体型排水管を使用し、水回り周囲の壁と階段下には遮音材を充填して不快な音が生活空間に響かないよう配慮されているそうです。
谷田工務店さんの再エネに対する取り組みについて
お伺いした社屋にはペレットストーブが設置されていました。薪ストーブを設置した住宅もあるそうですが、谷田工務店さんの再エネ設備は太陽光発電が主になるとのことです。
谷田工務店は太陽光発電を販売する会社ではなく、あくまでも快適な住まいを提供する会社であり、快適な住まいの中に太陽光発電が含まれるとういうスタンスでお客様に太陽光発電の説明をされるそうです。なので太陽光発電は儲かりますか?と聞くお客様には、住宅の太陽光発電は発電利益を得る物ではありません。しかし当社が提供する建物とセットだと太陽光発電の恩恵を100%受けることができますとお話しするそうです。
住まいを高気密高断熱かつ高性能設備機器を使い消費エネルギーを少なくする性能にしてこそ、太陽光発電によって得られるエネルギーに意味が出てくるということです。
「太陽光発電を設置することで計算上年間一次エネルギー消費量削減率は100%となっていても、京都府北部の地域特性で冬季は実質75%になるかもしれません。しかしその場合でも家の基本性能が高ければ、省エネで、使い勝手の良い、快適な住まいが実現できます。気密断熱性能が低ければ室内のエネルギーは外部に垂れ流しです。たとえ発電するエネルギー量が少なくても無駄なくそのエネルギーを日常生活で享受するためには、高気密・高断熱性能が重要だと考えています」
快適な暮らしのために再エネ設備を高気密高断熱で最大限活かすという考えが伝わる濵尾さんのお話しでした
(取材:2024年3月26日)