京都再エネコンシェルジュインタビュー
先人の知恵と新技術を活用して、くらしを豊かに
株式会社小林工務店(京都府京都市)の京都再エネコンシェルジュ
中村信哉さんと辻川宏美さんにお話をお伺いしました。
■創業元治元年小林工務店https://arch-koba.com/
■京都再エネコンシェルジュ 中村信哉さん、辻川宏美さん
https://kyoto-saiene.net/concierge_person/concierge_person-12571/
https://kyoto-saiene.net/concierge_person/concierge_person-12575/
■再エネ分野 太陽光発電 太陽熱利用 薪・ペレット
株式会社小林工務店は京都市の西陣地区を中心に、町家のリノベーションだけではなく、新築住宅にも積極的に取り組んでおられます。
安倍晴明で有名な晴明神社にも近く、京都らしい街並みの続く通り沿いにあります。地域にとけこみ、160年以上前からこの地でお仕事をされていたことを容易に想像することができます。表通りに面した事務所から続く奥には作業場があり、木材の良い香りが漂います。

「京町家や古民家の改修を通じて先人たちの知恵を受け継ぎながら先端の住宅を新築することにより先人の知恵を現代の暮らしの中に引き継いでいます。現在の仕事が伝統になる。そういう建物を残していけるように、伝統と科学で暮らしを豊かにすることをモットーにしています。このことは、京都の場合、特に意味のあることだと思っています。」
歴史のある京都で実績を積み重ねていらっしゃるからこそのお言葉です。
京都では「先祖代々住んでいる家を暖かくしたい」という断熱リフォームのご要望は少なくないそうです。
しかし京町家を断熱するために外壁断熱工事や内窓設置などを具体的に検討すると、間口の狭さや昔ながらの部材の都合で施工の難しい点が出てくることも多いそうです。そんなときに必要とされるのは「伝統を守りながら断熱性能を高める工夫」。小林工務店の培った経験と技術が役に立っています。
リフォーム時には、何をどこまでするかを決めることも重要です。一室だけでも暖かい部屋をつくるのか、家全体を夏涼しくて、冬暖かくするのかでも、費用のご負担は大きく変わります。その中で、時間はかかるかもしれませんが、コミュニケーションをしっかりとり、お客様のご要望に適した提案をされているとのことです。
「町家で太陽光発電を載せたい」というご相談には、住宅の現状をしっかり把握し、導入するために必要な改修工事などの説明を丁寧に行っておられます。
「瓦屋根で柱が傾いている住宅には、太陽光発電はそのままでは載せられません。大丈夫だと言ってしまうのはプロではないと思います。『この状態で載せるのであれば、これだけの補強が必要である』ということをしっかり伝えることを欠かしません。お客様のご要望にお応えするということは、単に『何でもできます』ということではなく、たくさんある引き出しの中から、本当に適切なご提案をすることだと思います。」
お客様に寄り添いながら、プロとして説明されています。

■高断熱・高気密な住宅がもたらす「お得で賢い快適生活」
「ホームページなどで弊社を知っていただいた方からご相談をうけることがほとんどです。お客様のほとんどが『暖かい家に住みたい』とのご希望をお持ちです。」
住宅のリノベーションでも耐震・断熱をしっかり配慮したご提案をされる小林工務店。
新築では、最も高いレベルの高耐震・高断熱・高気密の住宅を提供されています。断熱等級は最低でも6等級以上とのこと。
近年は資材が高騰し、建築費用が上昇しています。そんな状況だからこそ、お客様と対話する中でシミュレーションをして、エネルギーコストの少ない・長く住み続けられる住宅の提案を行っているそうです。
小林工務店の提案は、新素材や新技術だけに頼るのではなく、創業元治元年(1864年)から長年蓄積してきた技能や経験に裏付けられています。
(取材日:2025年11月6日)





