京都再エネコンシェルジュ

福井武敏さん

京都再エネコンシェルジュインタビュー

株式会社ファーストホーム(綾部市)の京都再エネコンシェルジュ・福井武敏さんにお話をお伺いしました。

福井武敏さん

「トータルでローコスト」の高性能住宅を

株式会社ファーストホーム

綾部市にあるファーストホームが高気密高断熱の家造りを開始したのは9年ほど前。「スーパーウォール工法」と、「せっかくなので良い家を」という想いを持つお施主さんに出会ったのがきっかけです。以来、少ないエネルギーで快適に暮らせる家をつくり続けてきました。

「そのころは、地球温暖化のことはよくわかってはいませんでした。ただ、暖かく、快適で、結露の少ない、住みやすい家を提供したいと。それだけは曲げずにやってきました」と福井さんは語ります。「高性能な住宅は、どうしても初期コストが高くなります。ローコスト住宅が流行る中、当初は、なかなか受注につながらない時期もありました。正直、家族やスタッフからも、この路線で良いのかと迷う声も聞かれました。でも、お施主さんの『快適になった』という喜びの声を多くいただき、これが広がって、受注につながるようになってきました。今は、ブレずにやってきてよかったなと思います」。

福井さんは、ドイツに渡ってパッシブ基準(※極めて高性能な基準)の家づくりについても学んできたのだとか。「日本は資源が豊富にある国ではありませんから、無駄に使っているわけにはいきません。省エネ型の家づくりをやっていかなければ」と語ります。近畿大学の調査プロジェクトとも連携し、住宅の温度と健康に関する調査事業にも携わるなど、勉強を欠かしません。

「せっかく建てるのであれば、住み心地の良い家を建ててほしい。ローンを払い終わってからも、安い光熱費と快適な暮らしが続けられる家を。長い目で見れば、結局、そのほうがローコストでもあるのです」。福井さんは、熱く語ります。

太陽光発電の設置を考えた屋根の設計も

再エネコンシェルジュになったきっかけは「知り合いの建築士さんに誘われたから。『まあ、再エネ普及を進めるリーダーかな』くらいの軽い気持ちで応募しました」と笑う福井さんですが、日々、お施主さん目線からの再エネ提案を担っていらっしゃいます。

「お施主さんの予算は、もちろん限られています。しかし、例えば連携するLIXILのサービスを活用すれば、実質ゼロ円で太陽光発電を設置することも可能です。すると、光熱費が削減できる分、ローンを含めた月々の支払額を減らすことも出来るのです」とのこと。そこで、住宅のプランづくりの早いタイミングで、太陽光発電の設置を前提とした提案を行うのだとか。太陽光発電パネルの設置に最適になるように屋根形状を設計できるのも、新築のタイミングだからこそ。現在設計している家は、約9kWものシステムを設置することになっているそうです。

太陽光発電パネルの設置に最適になるように屋根形状を設計

長い目で見て、暮らしにも未来にも良いものを

福井さんに、府民の皆さんへのメッセージをお聞きすると、次のように語ってくださいました。

「つい先日、『南極で20℃』というニュースを見て、驚きました。大変なことが起こっているなと。家づくりに携わる者として、気候変動の問題から目を背けてはいけないと、あらためて思いました。

家を建てるタイミングがあれば、目先の値段だけで選ぶのではなく、ぜひ良いものを選んでいただきたいです。設備は途中で入れ替えることもできますが、家の躯体は簡単には作り変えることができません。躯体の性能を重視することで、少ないエネルギーで、快適に、そして健康に暮らせる家を作ることができます。そして、結果的に、コストが安くすむ可能性も十分あるのです。

そして、そんな家にすることで、家で必要なエネルギーの多くを太陽光発電で賄うことができるようになります。実は、太陽光発電のモニターは、設置されたお施主さんの満足度がめちゃめちゃ高いんですよ。エネルギーが目に見えるようになり、地球環境保全に貢献していることも実感できます。

京都府知事も、2050年までの温室効果ガス排出ゼロを宣言されたとお聞きしました。ぜひ一緒に、そんな時代に適した快適な家をつくりましょう」

(取材:2020年2月17日)

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