京都再エネコンシェルジュインタビュー
株式会社近藤工務店(京都市伏見区)の京都再エネコンシェルジュ・近藤正信さんにお話をお伺いしました。
「体にやさしい家」が原点
木材、天然素材を使っての新築やリフォームを手掛けておられる株式会社近藤工務店。事務所に入ったとたん、ふわっと心地よい木の香りがします。「木はとても吸湿や保温にすぐれています。自然素材を使った、体にやさしい家づくりをしています。空気環境は写真などではわかりません。安心して暮らせるかどうかは、住む人にしか分からないんです」と近藤さん。アレルギーや小児喘息、シックハウス等で悩んでいる方が、ご相談に来られることもあるとか。そういう場合は、お困りの原因に合わせた家づくりをされるそうです。本当に敏感な方がおられる場合は、建てる前に使用する樹種を確認することもあるとか。「体にやさしい家づくりが、私たちの原点です」。
近藤さんは、家づくりでは個別の設備ごとに検討するのではなく、お客様の価値観に合わせた「家づくり全体」で考えることが大切だとおっしゃいます。「例えば、光熱費が気になるという子育て世代の方といろいろご相談する中で、太陽光発電やエネファームなどを導入することになりました。お引越し後に、毎月の光熱費がぐっと少なくなって安心、というお声をいただきました。二世帯住宅で、同様に光熱費を気にされて設置された方もおられますね。他にも、家族団らんを大切にしたいというお客様が、リビングでのくつろぎや癒しを求められた結果、薪ストーブを設置しました。火のある空間が心地よく、家にいる時間が長くなったとおっしゃっている方もおられます」。
近藤工務店はZEHビルダーにも登録されており、高性能住宅、天然素材の使用、再生可能エネルギー設備の設置など、たくさんの“引き出し”を用意されています。「家に何を求めるか、くらしに何を求めるかで、家の設備も当然変わります。大切にしたいところにちょっとお金をプラスしながらも、家づくり全体がバランス良くなるように、お客様と同じ価値観で考えるようにしています」。
自慢の大工たち
そんな近藤工務店の家づくりを支えているのは大工さんたち。家づくりは大工の手仕事だと考え、下請けではなく自社で大工を雇い、技術の継承や育成などにも心を配っておられます。「うちの大工は丁寧に仕事をしてくれますよ。木を一本一本見て切ったり削ったり加工しています。作り付け家具やテーブルなども作ります」と、大工仕事をとても大切にされているご様子です。
近藤工務店では、お客様へ年末のご挨拶に行くのも大工さんだとか。「家を建てた後に、大きな不具合だとご連絡がありますが、ちょっとした不具合は我慢してしまう方が多いんです。でも大工が挨拶に行ったら、すぐその場で不具合も確認できるので、気兼ねなくご相談いただけますしね」と笑顔でお話をされる近藤さん。お客様への心配りが伝わってきます。他にも、工事中の現場で出る木の切れ端は捨てずに集めておいて、薪ストーブを設置されたお客様にお譲りされているとか。焚き付け用の木切れとしてちょうど使いやすいそうです。「だって、そのまま捨ててしまったら廃棄物でゴミになってしまいます。ちょっとの手間で有効活用できて、お客様にもとても喜んでいただけますから」。
(取材:2020年2月25日)