京都の再エネ生情報

冬暖かく省エネな家「ハイブリッド ソーラーハウス」

冬暖かく省エネな家「ハイブリッド ソーラーハウス」

(Y・Iさん 京都市 太陽熱利用)

マイホームは「太陽熱で床暖房」

左上8 枚が太陽熱集熱板新築時に、快適で省エネな家を実現したいと多くのモデルハウスを見学し、行き着いたのがチリウヒーター「ハイブリッドソーラーハウス」です。ハイブリッドソーラーハウスは、「壁・床・天井に十分な断熱材、窓には複層ガラスを入れて高断熱・高気密化」、「1 階の床下全体に這わせたパイプに40℃程度の太陽熱温水を通す」、「ベタ基礎のコンクリートに蓄熱させて、1 階全体を24 時間床暖房する」というシステムです。

いつでも快適にお湯が使える

ポンプユニット夏はほとんどガスを使わずお風呂に入れます。冬は太陽熱だけで水温30℃程度にはなるので、ガス給湯器で加温しています。1階は70 代の母の生活スペースですが、床暖房で冬でも20℃を保ち、居室も廊下もトイレも温度差がありません。2 階の自分たちの居室は床暖房できませんが、冬でも1階から上がってくる暖気で室温15℃以上を保てるので、エアコンを少し使えば快適に過ごせます。前の家では、暖房のない空間では震えていましたが、今の家では、どこにいても寒さを感じることなく、とても快適に過ごしています。
冬の光熱費ですが、電気代は前の家で月1 万円程度でしたが、現在は月4000 円程度と大幅に減っています。しかし、ガス代は前の家で月1 万円程度だったのが、現在は月1 万5 千円程度に増えました。1 階全体の24 時間床暖房に相当な湯量が必要で、30℃から40℃に追い炊きするのにかなりガスを使っています。

太陽熱利用のために

モニターで楽々調節維持管理のコストですが、我が家は3 年ごとにメーカーが有償で点検し、6 ~ 10 年に1 回不凍液を交換します。我が家のシステムは大がかりで、導入は新築時に限られ、また費用面で元が取れるということはありません。採算面では、タンク容量200 リットル以下(風呂・シャワー・炊事向け)のシステムがおすすめです。屋根にさんさんと降り注ぐエネルギーを無駄にするのはもったいないので、太陽熱温水器を使う家庭が増えたらいいなと思います。

詳細情報

機器の種類

メーカー :チリウヒーター㈱、集熱器CSR-0920 (8 枚分)、ポンプユニットCSTP371 /購入年:2012 年

機器のタイプ

強制循環型

タンクの容量

370 リットル

設置にかかったコスト

360 万円程度(うち、国の補助金120 万円)
*導入規模により金額は異なる。建築物と一体になったシステムなので、設備にかかったコストを切り分けするのは難しい。

温水の主な用途

床暖房、給湯(風呂・シャワー・炊事)
*床暖房は1 階のみ、2 階のリビングはエアコン使用

夏、春秋、冬それぞれの晴天時の到達温度

夏60 ~ 70℃ 冬30 ~ 40℃

取材後記(城山厳夫)

新築時の太陽熱温水器の例は、これから設置をしようとされる方々に参考になるだろうかとも思ったが、再生可能エネルギーを取り入れたいとの熱い思いを持たれているのを少しでも伝えられたらと取材させていただいた。その思いが伝わらなければ、それは記者の未熟ゆえ。

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