ゆらぐ炎とぬくもりが家族の輪をつなぐ
(T・Yさん 宇治市 薪・ペレット)使ってみて!
薪ストーブを設置して2年目です。着火は早く、思っていたより楽というのが感想です。薪ストーブのデザインは、大きく分けるとカントリータイプとモダンタイプがありますが、私は家の新築と同時にインテリアとしてもマッチするモダンタイプを選び、満足しています。もっと手間がかかるのかと思っていましたが、これ1台で家中が暖かく、妻や子どもたちとの会話も増え、家族のコミュニケーションがよくなりました。着火作業は専ら私の役目です。ストーブの上で焼いたトーストや、ストーブの中のおき火で焼いた焼き芋は、目茶苦茶おいしいです。メンテナンスに多少手間がかかりますが、それに優る満足感があります。
薪の調達やメンテナンスは?
問題は薪の調達ですね。私の実家は宇治田原町の山間部で、間伐材や木材の入手には恵まれています。休日に行って、チェンソーで切ってまさかりや斧で割って薪にします。ワイルドだろー!実家では親父との会話も弾みます。でもこの作業が一番大変ですね。年間5ヶ月ほど使用しますので、薪はかなりの量になります。
毎朝着火前に灰を取り出しますが、そんなに多くは出ず5ヶ月でバケツ3〜4杯くらいです。煙突掃除は1年に1回、3万円程度で業者にお願いします。
トラブルは?
近所から煙の苦情がありました。煙突が少し短かったためで、1mほど長くしました。煙突は、屋根の上に出ていても、短いと屋根の乱気流で思わぬ方向に行くことがわかりました。それと、薪は広葉樹だと問題ありませんが、針葉樹の薪は火力は強く、煙に注意が要ります。だんだんと使い方もわかってきます。
詳細情報
機器の種類
メーカー :ドブレ(ベルギー)/型式:ビンテー
ジ50 型/購入年:2012 年
設置にかかったコスト
本体価格:30 万円 煙突:70 万円(工事込)
薪の種類
ナラ・クヌギ、針葉樹少々
薪の入手方法
実家より提供(カット運搬は自前)
薪の保管方法
ガレージに山積み(幅2.5m 高さ2m)
機器の使用期間
5 ヶ月
一冬あたりの燃料消費量及び燃料代
1.5m3
居住形態(戸建てor 集合住宅)
戸建て
暖房する空間の広さ(畳何畳分)
約33 畳(総床面積110m2)
取材後記(金澤良彦)
エアコンやガスファンヒーターが車でいうオートマだとしたら、薪ストーブはマニュアル車との印象を受けました。ゆらぐ炎に心が落ち着き、物の考え方も大らかになってくるようです。薪は購入すると、手間は要らないぶん、費用が結構掛かりそうです。薪作りは重労働ですが、こういったことが好きな人には何とも楽しい作業でしょう。年齢からいうと、働き盛りの若者は負担が大きく、時間的に余裕のあるシニア以降におすすめでしょうか。薪の調達を通じて多くの人との交流の輪が広がり、薪ストーブを使うことにより人生観も変るようです。いずれにしても、覚悟を持って導入しないと、宝の持ち腐れになる可能性がありそうです。