京都再エネコンシェルジュ

今村領太さん

京都再エネコンシェルジュインタビュー

I.M.A DESIGN OFFICE(京都市伏見区)の京都再エネコンシェルジュ・今村領太さんにお話をお伺いしました。

  • I.M.A DESIGN OFFICE
  • 京都再エネコンシェルジュ:今村領太さん(1名)
  • 再エネ分野:太陽光発電

 

光熱費が上がり続ける昨今。電気代の前払いをする意味で太陽光を設置しては!

「太陽光発電を設置しない家が損をする時代が来ています。固定価格買取制度で、高く買い取られた分の電気代は、再エネ賦課金として電気料金と一緒に支払う、電気を使用する人がみんなで負担している仕組みです。ですから、お客様に「太陽光発電が良いか?」と聞かれると、間違いなく「良い」と答えています。もちろんお客さんと相談して設置は決めますが、興味のある方には金額のシミュレーションをして収支の予測をお伝えしているのですが、10年程度で元が取れる家が多いです。電気代が上がり続けていますから、設置費用が上がる分は前払いをしていると考えて設置することをお勧めしています。特に新築時は一緒に工事もできるので工事費が抑えられてお得になります。」こうお話しされるのは、I.M.A DESIGN OFFICE(アイエムエー デザインオフィス)一級建築士事務所の今村領太さんです

建築士は人生の節目に立ち会う仕事

「建築士はお客様の人生の節目に立ち会う仕事です。家をつくるのには、打ち合わせに半年ほど費やし、楽しく進めながら構想をつくります。そんな楽しい打合せとは裏腹に見積をつくると予算と比較してどれを取ってどれを削るかの相談となります。予算に応じて削らなければいけない決断を共に悩みながら時に励ましの言葉をかけ、見守り、決定してもらって着工へと進みます。自分の描いた図面が完成した時には感慨深いものがありますね。一生住む家なので、しっかりコミュニケーションをとりながら後悔の無いように進めています。

建築士を目指したのは、高校生の時に見たビフォーアフターの番組がきっかけです。家づくりは大工さんがすべてしていると思っていたところに、当時建築士の安藤忠雄さんも出ていて、建築士が決めて進めているのを見て憧れました。建築士になってからは番組を見ていないですけどね(笑)。大きな建物では建築士一人では完結できないことが多いのですが、住宅ではお客様と建築士の私で決めていけることができます。責任は重いのですが、とてもやりがいのある仕事です。」

こだわりは省エネ性能

「建物は省エネ性能にこだわっています。夏涼しく、冬あったかい家に住んでもらいたい。その為には最低でも住宅の断熱性能である熱貫流率(UA値)を0.46以下、気密性能である隙間(C値)を0.9以下になるように目指して設計しています。(※UA値0.46は、平成28年度省エネ基準で北海道などの寒冷地の区分に相当します。)これは私が時間を掛け勉強して行き着いた結果です。これらの値が低ければ低いほど省エネ性能は高くなるのですが、コストが高くなってしまいます。地域に合った性能で、かつデザインと両立させて、さらにコストパフォーマンスを考えた結果この数値に行きつきました。また、私の設計では建築資材に一般に売られている汎用品を使用するので、特別なものを利用しない分コストも抑えられます。それでも省エネ性能を上げる分の初期費用は多めに出してもらうことになりますが、快適に生活できるようになり、月々の光熱費を40%ほど減らすことができます。25年ぐらい住めば光熱費節約分と初期費用が同額ぐらいになります。これを削ると毎月光熱費を多く払いながら快適性も得られなくなります。建てる方のパートナーである建築士として、どういう生活をしたいかを相談すると、自ずとこの結果になってきます。」

家1軒でエアコンは2台

「冷暖房として設置するのは、暖房用エアコン1台と冷房用エアコン1台の2台です。家全体をこの2台で冷暖房するのですが、特別なものは他にいりません。床下から温める暖房用エアコンと天井付近から冷ます冷房用エアコンで、断熱気密と間取りの工夫で快適な温度に家全体を調節できます。全館空調システムの様に特別なものも利用しないので、メンテナンスも難なくできます。こんな家があることを皆さんあまりご存じないので、ぜひ知っていただきたいです。冬の温かさや夏でも快適な空間をぜひ体験していただきたいと思い、見学会も不定期で企画しています。展示場が無いのでお客様にご協力していただき建てた家を利用する見学会なので、どうしても不定期開催になってしまいますが、ぜひ本物を体験しに来てください。太陽光発電も、発電モニターを見たら発電量を実感できますよ。」

再エネと省エネを兼ね備えた快適ハウス。エアコン台数を抑えた燃費の良い住宅に関心のある方は、ぜひ相談してみてください。

(取材:川手 2023年8月28日現地にて 写真提供:I.M.A DESIGN OFFICE)

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